救心発売開始年:1913(大正2)年
変わらない伝統と科学の裏付けが融合したハートのくすり。
〈救心〉の製造販売元・救心製薬が製薬業としての礎をなしたのは大正の初め頃ですが、〈救心〉の医薬としての起源は古く、遠く奈良・天平の時代に遡ります。
『修二会御薬』と『救心』
天平の文化を今に伝えている奈良・東大寺。お水取りで知られる「修二会(しゅにえ)」の行は、千二百年の長きにわたって一度も途絶えることなく今日まで続けられている伝統行です。 荒行ゆえ修行僧は体調を崩すことも稀ではありませんが、行の途中で医師にかかることは許されません。唯一許されているのが“修二会御薬”とよばれる生薬製剤の服用なのです。 わが国の漢方界の重鎮で、宮内庁より委嘱されて正倉院の薬物調査などにも立ち会った故・渡邊武博士は、処方上この修二会御薬こそが〈救心〉の原点ではないかと述べています。
信仰と牛黄
信仰の地として千年の歴史を持つ熊野本宮大社や東大寺では、今も牛玉宝印と呼ばれる護符を参拝者に授けています。これは〈救心〉の主要成分である牛黄を墨に混ぜて刷り上げるもので、牛黄に「除邪逐鬼」の効用があることから、牛黄→牛王→牛玉と転化していったと考えられています。無病息災を願う人々から、いかに牛黄が信頼されていたかがわかります。
印籠と〈救心〉
故・渡邊武博士によると、江戸時代末期、武士が携行した印籠には、一般的に二種類の丸薬が納められていたとされています。一つは強心成分である蟾酥が配合されたもので、丸薬の周りには銀箔が施されていました。もう一つは感應丸によく似た処方で、金箔がかけられていました。長道中での日射病、食あたり、水あたり、かぜひき、腹下しといったあらゆる急病、万病に対しこの二剤で対処していたとされています。〈救心〉には、この二種類の丸薬に使用されていた成分が配合されています。
〈救心〉の誕生
〈救心〉の原点は、創業者・堀正由が富山から上京する際に携えてきた家伝薬の「一粒ぐすり」。創業家堀家は江戸時代、富山藩で槍術の指南役として君主前田家に仕えた家柄で、当時から〈救心〉のルーツともいえる丸薬を家伝薬としてつくっていました。堀は大正2(1913)年に現在の浅草に堀博愛薬房を開き、この「一粒ぐすり」を「ホリ六神丸」という名称で発売しました。当時、一握りの高貴な人々でなければ手に入れにくかった貴重な動植物生薬を一粒の薬に融合して、多くの人に使用してもらいたいと考えたのです。もとは万能薬のように用いられていましたが、愛用者から「心臓によく効く」という声を多数頂きました。そこでさらに製剤の改良を重ね、ネーミングも印象に残りやすい〈救心〉に改称しました。
広告の移り変わりと変わらないパッケージ
〈救心〉は当初、通信販売や来店者に対する店頭販売を行っていましたが、愛用者拡大の兆しが見え始めると、新聞・雑誌などのマスメディアによる広告宣伝も積極的に行うようになりました。昭和30年代には、三大喜劇人であった柳家金語楼、榎本健一、古川緑波を一同に集めた新聞広告が注目を集めました。さらに昭和40年代に入りテレビが普及してからは、テレビ広告を展開していきました。
一方、〈救心〉のパッケージは、発売当初から基調デザインは変えていません。周りを囲っている雷文(らいもん)、左下隅にある鼎(かなえ)、そしてキャッチフレーズという組み合わせです。雷文は中国で紀元前から使われている文様で、稲妻を図案化したものであり、天の意志をあらわすものとして崇められてきました。鼎は、もともとは食べ物を煮るのに使った三本脚の金属器ですが、中国皇帝の帝位の象徴とされていたものです。
伝統薬に科学の裏付けをプラス
『長い歴史を持つことだけが、伝統薬の薬効の証ではない。科学の裏付けが大切だ。』という考えから、〈救心〉は昭和30年代後半以降、国内はもとよりイギリスやフランスにある研究所、大学、医療機関で基礎実験、臨床試験を重ねました。薬理試験、安全性試験に加え、伝統薬としては珍しい薬物動態試験も行っており、薬効の確認と安全性の確立に力を注いでいます。
「救病済生」の精神
一握りの高貴な人々でなければ手に入れにくかった貴重な動植物生薬を一粒の薬に融合して、多くの人に使用してもらいたいと考え、生み出された〈救心〉。近年では、アジアを中心とした各国にも輸出され、高い評価を得ています。この〈救心〉の小さな粒には、幾多の経験と科学、そして創業者が理想に掲げた「救病済生」の精神のもと、世界の人々の健康を願う救心製薬の気持ちが込められているのです。
商品の特徴
- 自然の動植物生薬がそれぞれの特長を発揮して、どうきや息切れにすぐれた効きめを現します。
- 身体がだるくて気力が出ないようなときや、暑さなどで頭がボーッとして意識が低下したり、めまいや立ちくらみがしたときの気つけにもすぐれた効果を発揮します。
- 服用しやすい小さな丸剤で、崩壊性にすぐれ、薬効成分がすみやかに吸収されるよう工夫されています。
第2類医薬品 ※パッケージは変更する場合がございます。 | |
商品詳細(一例) | 救心 |
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効能・効果 | どうき、息切れ、気つけ |
用法・用量 | 大人(15才以上)1回2粒、1日3回、朝夕および就寝前に水またはお湯で服用してください。 口中にとどめたり、かんだりせずに、水またはお湯で服用すること(このようなのみ方をすると成分の性質上、舌や口中にしびれ感がしばらく残ります。) |
成分・分量 |
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商品構成 | 30粒、60粒、120粒、310粒、630粒 |
※使用上の注意をよく読み、用法・用量を守って正しくお飲みください。
商品に関する詳細情報は、救心製薬株式会社の企業サイトで、ご確認ください。