家庭薬の昔 日々進歩する家庭薬の昔をお伝えします!

家庭薬の歴史

人類は太古より、植物の草根木皮を病気の治療に用いてきました。そう考えると薬の歴史は非常に長いといえます。家庭薬(市販薬)に限っても、江戸時代から現代まで作られ続けている商品があります。
ここでは家庭薬(市販薬)だけでなく、漢方薬、生薬、そして薬全般に関する歴史をテーマ単位で紹介いたします。

薬師(くすし)とは
薬師(くすし)とは

薬師(くすし)とは後の薬剤師の語源ですが、江戸時代以前には漢方医と言う意味もありました。この時代は医者自身が薬を調合していたので、医者と薬剤師の区別はなく、人々に尊敬され信頼される存在だったのです。

漢方薬と生薬製剤
漢方薬と生薬製剤

「漢方薬」と「生薬(しょうやく)」は混同されがちですが、両者は異なるものです。「漢方薬」とは、中国などの古典的文献(傷寒論他)に掲載されたもので、漢方理論を基に処方された薬を指します。葛根湯(かっこんとう)などがこれにあたります。それ以外の、生薬そのものや、いくつかの生薬を処方した「生薬製剤」とは区別されるのが一般的です。

漢方薬はなぜ「漢方」薬?
漢方薬はなぜ「漢方」薬?

中国の漢時代(B.C.202~A.D.220)に形成された医学体系を「漢方」といいます。つまり漢の国の医方という意味です。日本には4世紀の中ごろに、朝鮮半島を介して当時圧倒的な先進国であった中国の最先端の医学として導入されました。その後日本では、独自の工夫を加えながらも基本的には当時の「漢方」を忠実に護ってきましたが、中国ではその後もどんどん発展して「漢方」とは異なる現在の「中医学」となっています。

くすりの働き
くすりの働き

本来、病気を治すには、誰もがもともと持っている、病気と闘い、治す力(自然治癒力)を高め、からだを整えることが大切です。くすりはこれをいろいろな力で助ける働きをするもので、あくまでも脇役にすぎません。しかし、名脇役の働きによって主役が輝くことを考えれば、「家庭薬(かていやく)」(市販薬)も人々の健康を支える名脇役といえます。