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季節の生薬について

生薬とは、植物・動物・鉱物などの天然物を簡単に加工して用いる薬のことを指しますが、ほとんどの生薬は薬草や薬木といった植物由来です。もちろん植物によって旬は異なるため、春夏秋冬、それぞれの季節の生薬があると言えます。ここでは季節ごとに、生薬として用いられる薬草と薬木を紹介いたします。

冬の薬草 アロエ:ユリ科生薬名:蘆薈(ロカイ)

  • 冬の薬草 アロエ:ユリ科
  • 冬の薬草 アロエ:ユリ科

原産地がアフリカ大陸とマダガスカル島のユリ科のアロエは、世界に300種ほどあり、日本には50種ほど栽培されています。中でも「医者いらず」と呼ばれて親しまれているのがキダチアロエです。
日本薬局方に蘆薈(ロカイ)の名で生薬として収載されているのは、アロエ・フェロックスやアロエ・アフリカーナの葉から採られた液汁を乾燥したものです。
アロエの苦味健胃薬・緩下剤としての使用は古く、紀元前に象形文字で書かれた「エーベンス・パピルス」にも記載があり、古代ギリシャのアリストテレスはアレクサンドロス大王が遠征の時、アロエを持参するよう勧めたといわれています。
民間では、キダチアロエの葉汁をそのまま飲むか、生葉を煮出した液を服用します。少量で健胃・消化不良などに効果を発し、量を増やすと便秘に良いとされています。ただ、注意が必要なのは、体力の弱い人は腹痛を起こすことがあります。これは生葉中に含まれるアンスロンという成分のためで、熱を加えたり乾燥するとアントラキノン類に変化し、腹痛が起こりにくくなります。
外用として、虫刺され、火傷、葉を開いて葉肉を患部に貼り付けると効き目がありますが、火傷が広範囲の時は専門の治療が必要です。
キダチアロエは冬に橙色の花を咲かせますが、歳時記に季語として収載されていません。夏に咲くアロエがあるからなのでしょうか。身近にある植物なのに不思議です。
アロエを詠んだ俳句を探してみました。
干大根細りきったりアロエ咲き清崎敏郎 この俳句の季語は干し大根、アロエは季語の扱いを受けていません。