家庭薬の昔 日々進歩する家庭薬の昔をお伝えします!

家庭薬ロングセラー物語

トクホン発売開始年:1933(昭和8)年企業ロゴ

1500回もの試作から生まれた貼付薬。
商品の歴史と説明

正式には硬膏といいますが、貼薬、膏薬、ハッカゴム膏、プラスターはトクホンの様な肌に貼る外用剤の呼び名です。このような色々な名前で昔から皆様に愛され、使用されてきた『トクホン』は今から半世紀以上昔の昭和8年に鈴木日本堂が発売したものです。

創業100年

株式会社トクホンの前身である鈴木日本堂は明治34年に鈴木由太郎によって本所、深川で産声を上げて以来、今年でちょうど100年目を迎えます。

写真【創業当時の『乙女桜』】

由太郎13歳の時に奉公に出され、10年の辛抱の後に独立したのでした。独立した由太郎は(1)消耗、(2)保存、(3)大量に生産、(4)手軽に持ち運べるという条件を満たす製品を作れば必ず売れると言う信念で事業をはじめ、頭痛膏『乙女桜』、貼薬『シカマン』などを作り出したが、これらは全部、膏薬でした。
大正9年には、事業を年商5万円の売り上げを示すほどに成長させたのでしたが「好事魔多し」。大正12年の関東大地震により大きな被害を受け、この傷が癒えず昭和6年には、逆に借金5万円という苦境に立たされたのでした。この苦境を乗り切るために由太郎が考えたことは「5ヶ年計画」です。この計画は功を奏し、五年後には借金を返済し、売上高を160万円にすることが出来ました。

『トクホン』のルーツ

『トクホン』のルーツは静岡で発売されていた「天来」という膏薬でしたが、「天来」はシール状ですぐに貼れ、またハッカのさわやかな匂いもすることから、由太郎はこれを改良し『トクホン』を完成させたのです。また、名前は由太郎が甲斐の医聖といわれた永田徳本の事跡に感動したこと、弾むような語感に加え“徳”と言う字が人々に恩恵を与える“徳”に通じ、痛みを解くの“解く”に結びつく事を考えての『トクホン』という命名でした。

新しい膏薬

写真【『トクホン』パッケージの変遷】

硬膏も膏と言う字は動物の油と言う意味を持っています。したがって硬膏は軟膏に対する言葉であり、動物の油に薬を混ぜたもので半固形のものが軟膏であり、固形のものが硬膏という事になります。
昔は油の中に薬を混ぜ、これを必用時に熱で溶かして布や紙に延ばして患者を治療するのが薬局の大きな仕事でした。これをプラスター塊の膏薬と言います。しかし由太郎が作った『トクホン』は従来の膏薬の様に油を使わず天然ゴムを使い、絆創膏タイプの膏薬といわれるものでした。

テレビの生コマーシャル

写真

このような貼薬『トクホン』でしたが、発売当時は新聞、また戦後にはいち早くテレビコマーシャルを導入し、中でもキューピー人形を使った生コマーシャルは好評を得、今でもご記憶のある方も多いのではないかと思います。

プラスターは今

貼薬は今ではパップ剤、テープ剤などがあり、最近では皮膚から薬を吸収させる経皮吸収製剤へと進化しています。しかし、半世紀以上前に作られた『トクホン』は膏薬からプラスター剤と呼ばれる様になりましたが、今でも多くの愛好者に守られて半世紀以上のロングセラー製品として続いています。

商品紹介

商品の特徴

  • すぐれた薬効成分:消炎鎮痛効果のあるサリチル酸メチルと、清涼感があり刺激を持続させるl-メントールを配合して患部の炎症と痛みをやわらげます。
  • 血行をよくするビタミンE配合:ビタミンE酢酸エステルが血行を良くして、効果的にコリや痛みを和らげます。
  • 肌にやさしく効き目はしっかり:グリチルレチン酸が皮フの炎症を抑え、肌にやさしく作用します。
第3類医薬品 商品写真 ※パッケージは変更する場合がございます。
第3類医薬品 商品写真 ※パッケージは変更する場合がございます。
商品詳細(一例)トクホン
効能・効果肩こり、腰痛、筋肉痛、筋肉疲労、関節痛、打撲、捻挫、骨折痛、しもやけ
用法・用量薬剤面をおおったはく離紙をはがし、1日数回患部に貼付してください。
成分・分量
  • (膏体100g〈0.54㎡〉中)
  • l-メントール:6.5g
  • dl-カンフル:1.1g
  • サリチル酸メチル:7.3g
  • ビタミンE酢酸エステル:1.35g
  • グリチルレチン酸:0.18g
商品構成
  • 普通版:40枚入、80枚入、140枚入、240枚入
  • 中判:40枚入
  • 大判:24枚入
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