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家庭薬ロングセラー物語

ササヘルス発売開始年:1969(昭和44)年企業ロゴ

日本初の技術で医薬品として認可されたクマ笹エキス。
商品の歴史と説明

サプリメントの先駆けとして

ササヘルスの開発者であり、大和生物研究所の創業者である大泉和也(おおいずみかずや)は太平洋戦争中、静岡県にあった醸造会社で、海軍に納める潜水艦乗務員用の栄養強化食品の開発と製造に関わっていたといいます。潜水艦はどこにも寄港せずに、洋上を数カ月進むこともあったといいます。冷蔵庫のない当時では生鮮食料が不足し、ビタミンB群やビタミンCが欠乏して、脚気になったり壊血病になったりすることも珍しくなかったといいます。今では信じられないようですが、脚気や壊血病は重度になると死に至る病です。海軍ではこれを予防するために、ビタミンB群やビタミンCを入れたシロップ状の栄養補助食品を乗組員に飲ませたのです。今でいう、健康食品やサプリメントの先駆けともいえるかもしれません。

ササヘルス 創業者大泉和也 クマ笹の調査(昭和30年代) 笹刈りの風景

しかし、太平洋戦争が末期になると、それまで南方から国内に入ってきた原料がほとんど入らなくなってしまいます。そこで和也はそれまで廃棄されていたり、利用されなかったりしたいろいろな未利用資源を調べ、原料にする研究に着手します。例えば、グラジオラスという花の茎の下の方や根から、ある程度のビタミンCがとれることを発見したりしました。

ササヘルスの原点!未利用資源「クマ笹」に着目

終戦を迎えると和也の勤務先だった海軍の指定工場は閉鎖になってしまいます。戦後しばらくは製糖会社に勤務していましたが、間もなく有志とともに、クマ笹を原料にして、当時需要が高かった葉緑素(銅クロロフィリン)を製造する技術を開発し、事業化します。クマ笹は物資が極端に不足した戦後間もない頃でも、誰にも着目されることなく、むしろ林業では植林の邪魔者とされていました。
このクマ笹に着目したのは、戦時中の未利用資源の開発に起源があったのかもしれません。この技術は後にササヘルスの製造に応用されることになります。この当時の葉緑素の一般的な製法は、国内で大量に出る蚕糞(絹糸をつくる蚕の幼虫が、桑の葉を食べた後に排泄する緑色の糞)から有機溶媒で葉緑素を抽出、精製して置換処理したものでした。この製法は揮発性の溶媒を大量に使うため、設備に大きな資金が必要で、安全性にも問題がありました。
和也たちが開発した製法は、有機溶媒を使わず水系から抽出するもので、危険で高価な有機溶剤も不要で、簡単な設備で製造することができるというメリットがありました。しかし反面、この製法では葉緑素の純度がなかなか上がらず、市場での評価は芳しいものではありませんでした。そのため、この事業は起業から数年を経て事業を清算せざるを得なくなりました。

ササヘルスの開発の歴史

クマ笹から葉緑素を抽出する事業は失敗に終わりましたが、債権者から長野県茅野市にあった工場跡をもらい受けた和也たちは同じ技術を使って、今度はクマ笹の医薬品を製造する事業に乗り出します。クマ笹は中国の古典的薬のバイブルともいえる「本草綱目(ほんぞうこうもく)」に「箬(じゃく)」として掲載され、同じ古典の「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」にも「竹葉(ちくよう)」として掲載されており、いろいろな疾患に効果があると記されていました。ササヘルスをはじめとするクマ笹の医薬品の開発には、これらがヒントになったようです。

ササヘルス 旧ササヘルス【旧ササヘルス】

1968年(昭和43年)、新たに大和生物研究所を設立した和也は、これまでの銅イオンを用いた葉緑素の安定化技術を一新。技術的に困難といわれた鉄イオンを用いた製法の開発に成功します。翌年、厚生省(当時)から、この日本初の技術を用いたクマ笹の医薬品としてササヘルスが承認されました。

緑健会の設立

ササヘルスの発売当初は、卸を通して薬局・薬店などに販売していました。しかし、二代目社長・大泉高明は、「ササヘルスに関する情報が末端まで正確に伝わってこそ、製品の本当の良さがお客様に理解される」との考えから、直販体制を整備し、1989年(平成元年)に販売店の全国組織である緑健会(りょっけんかい)を設立。これが機会となり、ササヘルスは少しずつ世の中に認知されるようになっていきます。

オンリーワンの象徴「(財)蓼科笹類植物園」

ササヘルスを基幹商品とし、笹に関するナンバーワン、オンリーワン企業を目指す大和生物研究所では、その象徴として長野県茅野市にある蓼科工場の敷地内に「蓼科笹類植物園」を併設しています。この植物園には国内外の笹120種以上が植えられており、世界一のコレクションを誇っています。

ササヘルス (財)蓼科笹類植物園 茶室「箬庵」 植物エリア

植物園は全体が回遊式庭園となっており、遊歩道沿いに120種以上が植えられた植物園エリア、茶室「箬庵(じゃくあん)」、待合、降り蹲(おりつくばい)「随月泉(ずいげつせん)」、梅見門などがある数寄屋庭園エリア、ゼロエミッション(廃棄物ゼロ)の取り組みとして、クマ笹の搾りかすなどの産業廃棄物を農業利用するための実験を行う圃場として、また植物園にアクセントを与える景色としての実験圃場エリアで構成されています。この3つのエリアは独立しておらず、有機的に結合し、笹の幅広い可能性を探求する場となっています。
2009年、蓼科笹類植物園は竹笹類の科学的、文化的研究を通して社会や地域に資するため、財団化されました。一般公開後は静岡県の富士竹類植物園と姉妹園になる予定です。

商品紹介

商品の特徴

  • 高原地帯に自生し、清浄な水と大地に育まれたクマ笹の有効成分を抽出した医薬品です。
第3類医薬品 ※パッケージは変更する場合がございます。
第3類医薬品 ※パッケージは変更する場合がございます。
商品詳細(一例)ササヘルス
効能・効果疲労回復、食欲不振、口臭、体臭除去、口内炎
用法・用量通常1日3回、1回約2~3ml(小児半量)を冷水、茶、牛乳等にて適当に希釈して服用。
症状により適宜増量。
成分・分量クマ笹の葉の抽出液
商品構成127ml(1本入、3本入、6本入、12本入)、20ml(30本入)
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